Tおやじの日記帳~TakaWata’s diary~

主にPTA広報紙、その他の話題を書いてます!

あるPTA会長のアクシデント 第1話

ある普通のPTA会長におきた話

平穏な学校

私はある中学校のPTA会長を務めた。地方の小さな学校で、とても素直な子どもが多い地区である。

 

4月、もうすぐPTA会長の任務が終わろうとしている。ホッとしたような、ちょっぴり寂しいような気持ちだった。

 

この学校は基本的に毎年PTA会長が代わる。学区内の3つの小学校の保護者から1名副会長を選出し、その中から毎年ローテーションで副会長から会長に選出される。

 

順番は分かっているので、会長候補の副会長選出は少々手こずる。しかし最後はみんな引き受ける。とても人材に恵まれた環境だと思う。

 

私も前年度に副会長を務め、今年度は私の地区から会長を選出するので覚悟は出来ていた。以前PTA会長を務めていたこともあり、ある程度のPTA活動は分かっていたつもりでいた。

 

着々と仕事を終える

無事に卒業式、入学式を終えて、後はPTA総会で新会長への引き継ぎだけとなった。そこで大問題が発生してしまった。

 

突然、校長から連絡が入る

仕事中に校長から連絡があった。急な事態があったので今夜学校に来れますか?という内容だった。

 

話し方がやけに神妙なので深刻な内容なのだろうと思い、仕事が終わった後に学校へ向かった。

 

学校へ着くと校長と教頭がいた。そして話を聞いた。

 

衝撃の出来事

覚悟して行ってみると

ある生徒の紅白帽子と靴が隠されて、トイレで見つかった。カッターでズタズタにされ、「◯ね」などの暴言が書かれていたということだ。

 

常々平和な学校だと思っていただけに、この話を聞いた時はショックだった。そして被害を受けた生徒は小さい時からよく知っている子だった。

 

この子は私が知る限り、非の打ち所がないとても良い子だ。声をかければ元気に挨拶をするし、他の保護者の間でも性格の裏表がない素直な子。

 

親もよく知っている。以前に専門委員会にも一緒に所属していたこともある。いつも一生懸命手伝ってくれた、信頼できる人だ。

 

なぜこんなことが起こってしまったか?原因は全くわからない。

 

学校の対応は

学校の動きは意外と素早かった。全校生に何かを見たか?聞いたか?というアンケートをとり、被害に遭った生徒へカウンセリングのケアをした。

 

市の教育委員会へ報告もした。再発防止のため体育や特別授業の時は教室にカギをかけた。

 

しかしこれ以上は何も出来ない。犯人が全く特定出来ないので、学校としても方法がない。やり過ぎれば無実の生徒の今後の学校生活に支障が出る。

 

PTA会長として、加害者の生徒へは強い怒りを感じた。被害者の気持ちを考えたことがあるのだろうか?

 

親は学校へは来たくないと言う

学校は、被害者の親へ連絡を取っていた。親が言うには、絶対に許せない、犯人を探してほしい、そして親と一緒に自分の前で謝ってほしいと言っている。

 

そして犯人が出てこないなら、速やかに警察に届け出て指紋を取ってもらい犯人を探し出すとも言っていた。

 

確かに気持ちはわかる。もし私も自分の子どもが同じ目に遭ったら同じことを言うと思う。

 

しかし第三者の立場、PTA会長の立場で考えれば、イタズラをした生徒は確かに悪い。許せない行為だ。ただ、加害者の生徒はまだ中学生。少年時代の一つの過ちで警察沙汰になり、その後の人生に支障をきたすのは忍びないと思う。

 

だが被害者の親の頭の中は怒りでいっぱいだ。学校もどうしようもなく困っていた。

 

校長の判断

そこで校長がある考えを示した。まずズタズタにされた帽子や靴を親に学校に来て見てもらい、そこで警察に届け出ると言うなら仕方ないと言うことである。

 

しかしなかなか親は学校へは来てくれない。校長や教頭、担任がいくら説得してもダメらしい。それはそうだ。愛する我が子の帽子や靴がズタズタになるのを見るなんてとてもイヤだろう。

 

校長が私に相談した。私に何とか被害者の親を説得してもらえないだろうか?という。

 

校長も警察沙汰は避けたいだろうが、生徒のため、保護者のために何とかしたいという気持ちが痛いほど伝わってきた。普段からこの校長は他の教師とは何かが違う、とても立派な考えを持った校長だ。

 

私も現状を見てもらうことには賛成だった。とにかく隠すのは良くない。それを見てどう判断するかは親に任せる。それしか方法はないと思った。

 

私は被害者の親に電話をした。

 

続く